巨人スタン・ゲッツのマウスピース遍歴。
まあ、このようなジャズ・ジャイアントはおいといて、最近久々にテナーサックスのマウスピースの試奏をしました。大久保・イシモリにて。まあ、あんまり時間がなかったので前から気になってたものを3種類ほど。
現在はヤナギサワのラバーの9番を、チェンバー(マウスピース内部の空洞。共鳴室)を削ってもらってすこしづつ広げながら吹いておりますが(吸ってもいるが…)使い勝手の良い、材質の優れた素性の良いマウスピースですね。まあ、これはこれでいいのですが、さらにラージチェンバーを吹きたい年頃なのです。ヤナギサワの方はこれ以上広げるとバランスを欠いてしまい本来のバランスの良さという利点を損ねるおそれもあるわけで。
(一般に、チェンバーが大きいと音色はモコモコします。)
で、吹いたのはJodyJazz、Lamberson、え〜っとなんだっけ??
もうひとつ。それぞれ「ジャズモデル」とか銘打ったチェンバー広めのモデル。リバイユも試したかったんだけど時間切れ。
結果からいうと、買ってもいいかなあと思ったのはLambersonだけでした。が、すごい個性あり。これだったらOttolinkを渉猟したほうが奏者の色は出るかも知れないなあ。と思いました。
お蔵入りしているヴィンテージマウスピース、50年代のOttolinkの通称Florida、いよいよリフェースかなあ。
http://www.mouthpieceheaven.com/misc/ottolink.htm#stm
上記のようにいろいろ研究はすべきなんですが、やっぱりサックスもマウスピースなどはたいした差は無く、一種オプションですね。音の素性みたいなものは変わりませんね。
スタンゲッツのマウスピース遍歴を見ても、ちょっと驚くわけです。マウスピースが変わってるけどゲッツの音は常に名前が書いてあるような音。
で、ジャズジャイアンはおいといて、私が今使ってるヤナギサワだと、ちょっとキツい倍音が出てる気がしてまして、そこに自分のイヤな面を見るわけ。なんか投影しちゃってるわけよ。削っても取り替えても、それはついてくるわけですよ。マウスピース職人に「俺の自我を削ってくれ」と注文しているに等しい。
…とはわかってるんだけど、デバイスに関して研究を怠ってはいけない。
フロリダも吹いてみるととても面白いんですが、半分壊れているような音、とも言えるんですよね。そういうのもご隠居の道楽みたいでちょっと抵抗あるの。